建築石材の実例集.6 「御影石 壁の落書き消し作業」

皆さんは「グラフィティ(Graffiti)」という言葉をご存知ですか?
またお聞き覚えのある方は、この言葉から何を連想されますか?
直訳的には「悪戯書き」ですが、俗に言う「落書き」ということでしょうか。
さてこの「落書き」、何時、何の目的でするのでしょうか・・・。昨今の「落書き」は面白く、アートっぽいなどと、ハリウッド映画で観た都会の地下鉄に描かれたそれを思い浮かべてしまうのは、私一人ではないはずです。

今回のケアは、およそグラフィティとはほど遠い、御影石に書かれた「落書き」の除去です。
この「落書き」を発見したビルの管理会社の担当者は、早速"すわぁ〜!?"っとシンナー系の溶剤でしっかりと拭いてしまったそうです。その結果は・・・。
見るも悲惨な状態になってしまったのです。

これは、一般によく陥りがちなミスなので責めるわけにはいきません。
しかし、細孔(極小さな穴)が無数にある石材(特に御影石・バーナー仕上げ)の場合、落書きにシンナーなどの溶剤を含ませると却って汚れを染み込ませてしまう状態をつくってしまうのです。
担当者氏には申し訳なかったのですが「今度もしこのような事が起こっても、断じてシンナー等では処置せず、すぐさまご連絡を!」と、きつく、きつく申し上げることとなりました。

壁の落書き消し痕 壁の落書き消し痕を再洗浄
施工前 施工後

この落書き消し痕のクリーニング手順です。
  1. 必要箇所を養生して、対象部位の全体の埃りや他の汚れを除去。
  2. 特殊な落書き除去用ケミカルを塗布。
  3. ケミカルの浸透、分解効果のため時間をおきながら、進行状態を確認。
  4. 浮き出たペイントの成分をスチームにて除去し、拭き取り乾燥させる。

最近、とみに氾濫しているこのような悪戯書きは、グラフィティGraffitiと呼ばれ、世界各国の都市住民を悩ます流行になっています。 グラフィティ2事例
「悪戯書きが放置されていると書いたが、容易に消す事ができないために、家主にとっては放置せざるを得ない気の毒な状況にあるからである」とは、わが国の石材関連分野の第一人者で工学博士の中山實先生の論文の一説であります。
しかし、いくら第一人者のお説とはいえ、「気の毒・・・」と、そのままにしておくわけにはいきませんよね。石の汚れ、あきらめないで!

※ 石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。


建造物の外壁や床などの経年劣化、綺麗に磨きます!

今まで、落ちなかったシミや黒ズミの劣化汚れ・油性スプレーなどの落書きも消します!

石材洗浄はリフォームするより、早く安くお手軽です。
まずは、石材クリーニングの実績 → 施工事例集をご覧下さい。

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出版書籍
書籍「石の汚れ、あきらめないで」
石物語 石材ケアの今
石の汚れあきらめないで!
著者:新田倖石
発行:日本石材工業新聞社
価格:4,000円
内容:石材ケアの現状と事例集。石材店・墓石店のプロ用「石材ケア マニュアル」
石の汚れの知識と石材の簡易辞典、石材業必見の一冊