墓石事例集.20「80年目の墓石クリーニング」
△月×日 このところ、なぜか東京都下でのケアのご依頼が目立つ傾向にあります。
この案件も、前回に続き東京都内での「ケア・メンテナンス」、
都立多磨霊園の墓石をお世話させていただきました。
ご依頼を請けた石材店さんには、お墓のケアに苦慮されているお施主様より一通のメールがありました。
ご参考までに、その一部を転記させていただきます。
墓石は、祖父の出身地である茨城県の石と聞いております。
80年間以上クリーニングなどしておりませんので、苔がこびりついております。
こんな状態になってしまっても、果たしてきれいにできるものでしょうか?
少しでも可能性があるのであれば、是非きれいにしてあげたいと考えております。よろしくお願いいたします。
問い合わせには、建立場所や、「必要ならばデジタルカメラで写真を撮って送ります」との旨まで併記されていて、まことに端正なご依頼文です。
実際のところ、ご依頼の墓石にはお施主様の文面の通り、苔、カビ等地衣類がかなりこびりついていて、「風雪に堪えて来られたのだなあ・・・」と思われました。
施工前 施工後
本施工では、まず合掌・ご挨拶し、必要箇所の養生から始めます。
作業手順等は、本事例.17・事例.18に準じます。
施工作業中、常に体にまつわり付く蚊、三、四匹を片手で払いながら、同行の石材店ご担当者との会話です。
「悪いお墓が多く見受けられますねえ」
「えっ、悪い(?)お墓ですか!?」
「そうですよ。だって、最近お参りした形跡が全く見当たらないじゃないですか。 雑草が生え放題に荒れ果てて、蚊がブンブン・・・。 きっと、ご先祖様、故人の方も寂しがっておられますよ・・・」
そんな場所だけに、お施主様の想いを反映させようと、気合を入れます。
作業も終盤の頃、サイクリング途中のお施主様がいらっしゃいました。
マジマジとご検分いただき、「へえー、ホントに綺麗になりましたね」とうれしいお声掛けをいただきました・・・。
そんなわずかの間にもご担当者は、墓誌の新設・線香立てのリニューアルを持参の石種サンプルでお打ち合わせになり、ご依頼をお請けになったのでした。
それにしても、[蚊]は私の純血(?)をたっぷり吸血したのでしょう。
蚊取り線香、これもこの時期の墓地での「ケア・メンテナンス」に必須アイテムかしら・・・合掌。
※石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。
古いお墓の経年劣化、諦めないで下さい。綺麗に磨きます!
ご先祖様代々のお墓を綺麗にお守りします。