実例集.58 石灰岩ライムストーン水斑・水上げ除去

平成18年、石材新聞掲載の実例です。

石灰岩(ライムストーン〜Lime Stone)は基本的に炭酸カルシュウムの堆積物からなり、堆積物の組織や、岩石化する過程により種類があり建築で使用時に、その微密な組成で良好な光沢を生じるものを大理石に、目が粗くあまり艶がないものをライムストーンと呼ぶ事が多い・・・
(全国建設石材工業会「建築アドバイザー認証用テキストより」)

今回は、そのライムストーンの中でも最も典型的と言われ、この国の使用頻度が高い石種「モカクリーム」の変質現象です。

高級マンション・エントランスの壁石の羽目施工後の現れた、いわゆる「濡れ色=水斑現象」。
ご依頼主の石材店は、その原因解明すべく、羽目石を一部破壊してまで検証したそうです。

ゼネコン監督士のブルーのマーキングテープを確認するが如く、そうした変質現象は均一に噴出しているのではなく、いわば、バラバラに数カ所にわたって表れていました。
検査引渡しの日程が迫り来る焦りや慌ただしさの中での作業は、変質の原因という根本の追及より、ただただ変質部位の汚れ除去に専念せざるを得ない案件でした。

ライムストーンの水斑 ライムストーンの水斑を除去
施工前 施工後

施工手順です
  1. 除塵、必要箇所の養生
  2. 清水洗浄、乾燥
  3. 弱アルカリ専用除去剤を繰り返し塗布、そのケミカル効果を目視で確認
  4. 変質現象が頑固な箇所は、専用除去剤をウェスでシップします
  5. 翌日、シップのラッピングを外して清水洗浄・乾燥

なんとかタイムリミットに間に合いました! 監督士も引渡し検収に、無事きを得たようで何より。

平成18年9月25日 日本石材新聞
水磨きした淡いベージュのこの石種は、どこかこの国、私達の感性に合うのでしょうか?最近富に利用頻度が増しています。
ライムストーンの特徴をして、吸水率の数値が高く、汚れの原因となる不純物等を水の浸透過程と同時に持ち込む事で、汚れを表面に残す場合が多いと考えられ、表面汚れが目立つことになります。
因って、この種類の石材には事前の適切な保護剤塗布が不可欠だと思われます。
平成18年9月25日 日本石材新聞

※ 石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。


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まずは、石材クリーニングの実績 → 施工事例集をご覧下さい。

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