建築石材の実例集.33 「コンクリート変質現象」

□月△日 正に正鵠(せいこく)を射るが如くに、私のこの度の「石材ケア事例集」(平成17年11月日本石材工業新聞社刊)を評していただいた建築家の内藤浩市先生コラムでありましたが、 今回のコンクリートの事例は、謂うところの人工材の典型的なケースということになるでしょうか・・・? つまり「気泡(細孔)」を携える素材です。

市井を何かと賑わしている耐震強度偽装事件・問題ではなく、この高級マンション内1階に併設されている駐車場での仕儀なのであります。

担当ゼネコンから住民各位への引き渡し時点から既に、駐車場利用者は「気がかり」だったそうです。

専任建物会社からのクレームに建設会社は対処せざるを得なくなり、この度のテスト施工と相成りました。

コンクリートのサビ原因検査 コンクリートのサビ原因検査2
施工前 施工後

数え切れない、釘跡の様なサビ色変質現象は、果たして何に起因して現れたのか・・・? 加えて引き渡し後半年以上過ぎてしまったことで、車のオイルによる油ジミなどが所々にどす黒く散見できます。

無数にある汚れの中で部位を決めて、何箇所かのテストに臨みました。

さて、コンクリート床のテスト手順です。
  1. 除塵、必要箇所の養生。
  2. 清水によるブラッシング洗浄。
  3. 専用サビ除剤の塗布。
  4. 反応を確認後、清水洗浄し拭き取ります。
  5. スケール化(固化)したような油の塊には、素地を傷める事が少ない、アルカリ土類金属を主剤とする専用除去剤を用いて塗布。
  6. 反応を確認後、清水でたっぷりと洗浄し、乾燥させます。

広い駐車場で再度コンクリートの打ち直しとなれば、現場利用者に少なからず支障、不便を貸せることなどを考えれば、こうしたケミカルによる洗浄は、 時間等の対費用効果からも今後大いに参考にしていただける、との由です。

※ 内藤浩市先生の書評につきましては、本紙平成17年12月15日号に掲載されていますので、ご一読くだされば幸いです。

※ 石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。


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石材洗浄はリフォームするより、早く安くお手軽です。
まずは、石材クリーニングの実績 → 施工事例集をご覧下さい。

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出版書籍
書籍「石の汚れ、あきらめないで」
石物語 石材ケアの今
石の汚れあきらめないで!
著者:新田倖石
発行:日本石材工業新聞社
価格:4,000円
内容:石材ケアの現状と事例集。石材店・墓石店のプロ用「石材ケア マニュアル」
石の汚れの知識と石材の簡易辞典、石材業必見の一冊