建築石材の実例集.30 「白大理石 33年の黄ばみ汚れ」

○月□日 元気な中部地区・名古屋で定礎1973年以来33年間の時間の流れに、その高さも含め、堂々の勇姿を誇っていたこの地の著名な複合高層オフィスビルです。
リニューアルされたJR名古屋駅超高層ツインビルの出現に、ちょっぴり控えめなその姿になっていました。

広く長いエントランスは、その入口から高い壁面の空間の白大理石アラベスカートの羽目施工、 そして、その模様合わせまでも、実にそつがなく、エレベーターホールの壁面に見事に集約されていて、設計、施工に携わった人たちの「粋」な心意気といったものが伝わってきます。

そのホールの白大理石アラベスカートも、経年の人の出入りのせいなのでしょうか、背丈および腰の位置の部位の汚れ、黄変が特に目立ち、白大理石特有の変質の極みを見せています。
当然、ビル管理者による日常の清掃は怠りなく施されてはいるものの、ロビー中央に常に直立されているガードマン氏も、「黄色くなって汚いね〜」とご嘆息でした。

白大理石の黄ばみ汚れ 白大理石の黄ばみ汚れをクリーニング
施工前 施工後

さて、早急にビル管理者に部位を選んでいただき、テスト施工。その結果にご納得いただいた上での本施工ながら、休館皆無というこのビルの制約上、人の出入りの比較的少ない、土曜日・日曜日の深夜を当てざるを得ません。

白大理石の黄ばみ汚れをクリーニング手順です。
  1. 除塵、必要箇所の養生。特にエレベーター三方枠の変質・汚れがひどく、エレベーターの扉との兼ね合いに苦慮しました。
  2. 清水で洗浄し、専用ビル除去材を塗布。
  3. その反応を目視、確認した後、清水洗浄、またはスチーム洗浄します。
  4. 大理石専用中性剤を塗布、時間を置きながら洗浄し、乾燥させます。

通常1〜5の作業を繰り返し、その8割方が除去されれば、残部についてはシップを施し翌日に除去し、洗浄して乾燥する、という工程を実施するのですが、 くだんのご担当者からも「シップはビルの管理上、云々・・・?とのお申し出。故に今回は週末の深夜作業を4日間実地、と相成りました。

思えば・・・、テスト施工より2カ月以上の時を経てからのご依頼でしたが、 「変質が気になり施工実施をご計画なさったら、1日でも早期の実施が良く、時を経ればそれだけ除去が難しく、時間とコストを要することになります」とは、何時もの私の謂いではありますが・・・。
それでもこのケースは、まだご決断が早い方なのでしょうか・・・

コンビニで買った缶コーヒーをプチッと開けて、早朝のNHKラジオから聞こえてくるラジオ体操の声に、私も左から3回、右から2回、自身の首を回してみたのでした。

※ 石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。


建造物の外壁や床などの経年劣化、綺麗に磨きます!

今まで、落ちなかった石材のシミや黒ズミの劣化汚れ・油性スプレーなどの落書きも消します!

石材洗浄はリフォームするより、早く安くお手軽です。
まずは、石材クリーニングの実績 → 施工事例集をご覧下さい。

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発行:日本石材工業新聞社
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