建築石材の実例集.20 「大理石のシミ抜き」
□月×日 2001 Estabished by〜と、大きな文字が刻印された梁のある駐車場の自動シャッター。
監視カメラに厳重なセキュリティーという、まさに○○○してますか?
ばりのそのお宅の門扉を潜り抜ければ、 玄関までの床は、もちろん御影石施工です。この度のご依頼は、玄関ホールは壁、床、総大理石の框石も含め、 オール敷石の大理石=ビアンコカラーラに吹き出たサビ色変色現象の除去です。
奥様は「そう、ちょうど一年目くらいかしら。うっすら目立ち始めたんですよ」と、床に敷き詰めてあるペルシャ絨毯の下を見せてくださいました。
そこに現れたビアンコは・・・。変質黄変状態の大きなアバタの斑々を呈しておりました。
「こんなもんシミなんだから取れやせんわ!全部取替えだがね」ご主人は出勤前の慌ただしさも手伝ってか、かなりご立腹の様子です。
「まあまあ、そうおっしゃらずに、とにかくチャレンジさせてください・・・」とは、ご担当のゼネコン監督氏。
「天然石は往々にしてこのような変質現象がみられるものです。あながち施工側だけの責任では・・・。そもそも天然石の成り立ちからして云々」、
私もご依頼者の意向を考慮しながら精一杯ご説明しながら、お施主様の和みを待ちました。
「汚れが薄くなるだけじゃ、ダメだよ」と、ようやく笑顔のご回答にテスト施工へ。
テスト結果をご確認いただいた上で、本施工へと進むことができました。
施工前 施工後
- 除塵、必要箇所の養生
- 清水で十分に洗浄、乾燥
- 確実な乾燥のため今回はドライヤーを使用、その後特殊サビ除去剤を塗布
- ケミカル効果(浸透、乳化、分散)を確認
- 効果が確認できたら、清水で十分に洗浄し、乾燥
- さらに中性ケミカルをたっぷり塗布し、同様にケミカル効果を確認後、清水で十分に洗浄
- サビ変質が強固なところは部位を限ってウエスでシップ
- 効果が確認できたらシップを外し、再び清水で洗浄し乾燥
- 後日の再発防止のため、浸透性保護剤を塗布
良好のケア結果によって貼り替え・再施工はなかったものの、引き渡し後1年目あたりで変質・クレームがあった際に「ケア対応」ができていたら、 お施主様の笑顔もきっと消えることもなかったはずですね・・・。と、監督氏とつくづく一緒にうなずき合ったのでした。
「転ばぬ先の杖」といいます。できる限りのことをして、たとえ転んだとしても「杖」を頼りに起き上がる手だてを探す努力は、くれぐれも怠りなきよう。
豆知識:類似事例
白大理石(ビアンコカラーラ) 経年にわたる黄色変質の汚れ除去
おそらく、私たちに最もなじみ深い大理石のひとつだと思われる、ビアンコカラーラ。その天井及び床を除く、壁・カラン台全てビアンコ貼り施工の豪華な浴室に、深く噴出した黄変サビ色・変質現場です。
築20年でのこの状態に、著名なハウスメーカーの担当者も「はてな?」と言ったご様子で、「原因は?」とのお尋ねに、「欧米でよく言われているパティーナ(Patina)現象かも?古色・風格・趣が出ています」と、謂うにはあまりに我が国の感性は隔たりがあるようでした・・・
施工前 施工後
あれこれと引き出しを探りながら、シップ剤施工で綺麗になりました。
オーナー氏の名古屋弁で「おお! マジックだがや〜!」
オーナー氏の一言に安堵し、ほっ!としたものでした。
※ 石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。
建造物の外壁や床などの経年劣化、綺麗に磨きます!
今まで、落ちなかった石材のシミや黒ズミの劣化汚れ・油性スプレーなどの落書きも消します!
石材洗浄はリフォームするより、早く安くお手軽です。
まずは、石材クリーニングの実績 → 施工事例集をご覧下さい。