墓石事例集.34 「20年目の敷石(荒木石)」
□月○日 「荒木石、こちらではもう採れやせんぇ、のう・・・」。
その当初の汚れのデパート状態から、ケア終了後に顔を覗かせた、青みを帯びた石肌の深味に感嘆し私がお尋ねしたことへの、お施主様のお答えの弁。
とても重厚な歌舞伎門からこだわりの屋内玄関に至るエントランス。
片やご立派な植え込みが配されたお庭にしつらえた敷石・御影石のケアでした。
20年以上に及ぶ経年による苔・カビ・地衣類等を初め、汚れのサンプルか、とも思われる程の変質状態に加えて、屋外の正面入り口、エントランスの踏み石段は、 ご近所の子供達の雨天集合場所兼遊び場と化していて、ガムの捨て跡、飲み物や菓子類の食べ残し跡なども含めて何とも!?
の汚れ具合でした
施工前 施工後
- 除塵、必要箇所の養生
- 清水でたっぷり洗浄
- 苔、地衣類専用の除去剤を塗布
- ケミカル剤を確認した後、乳化した汚れをウエスに含ませ除去
- 噴出したサビ状の変質物などは、専用洗浄剤を含ませたウエスでシップ
- 特に目地周りは201システムを併用、部位ごとに丁寧に洗浄
- 清水でたっぷり洗浄後、乾燥
※ 本案件ではお施主様へのご提案・ご了解により、乾燥後、専用保護剤を塗布しました。
さて、「荒木石」を手元の図書「日本の石」-(昭和53年9月・大和屋出版刊)で調べてみたところ・・・。 三重県の石としては「伊勢青石・伊勢みかげ・尾鷲みかげ鎧石・・・」などの情報と写真が観られたのみで、残念ながら荒木石のくだりを発見する事はできませんでした。
この荒木石。実は以前コラムにご紹介(第20回石材新聞 平成19年1月15日号)
「浴室のシリカ化現象除去ケア」のご成果にご納得いただいたお施主様より引き続いてご依頼いただき実地となった案件の現場なのですが、 このようなご立派な、こだわりをもった個人邸には、まだまだ私どもの「ケア」の余地、あるいはニーズには事欠かないように思います・・・。
古は(?)忍者が奔走したであろう伊賀上野の街、私も冬枯れの北風に追われながら、山間の国道にアクセルを踏み込んだ数日間でした。
※ 石材呼称は、御影石、大理石、ライムストーン等の通称に従います。
古いお墓の経年劣化、諦めないで下さい。綺麗に磨きます!
ご先祖様代々のお墓を綺麗にお守りします。